エンジニア科1年生 「森の立地」を学ぶ
山の麓と尾根で、植生が違うのはなぜ?スギやヒノキはどんな場所が生育に適するの?そんなことを「森の立地」では学びます。
初日は、概論。森の立地を左右する因子にはどのようなものがあり、立地条件によって植生がどのように変わってくるのか?尾根部と麓ではどのように環境が違うのか?など、2日目以降の実習や見学に備え基礎知識を学びます。
2日目、この日のテーマは、森林土壌。講師は、岐阜県森林研究所渡邊専門研究員にお願いしました。座学の後には、演習林に出て土壌調査を行いました。地面を掘ってみると麓と斜面、わずか15mほど場所がかわるだけでも土壌の様子がずいぶん違うことがわかります。それはなぜ?それは樹木の生育にどう影響するの?座学での学びを思い出し、土の感触や色、土壌の深さ、周囲の植生や樹木の成長等をじかに見比べながら考察していきます。
土色帳を使って、土色を判別したり、層厚や構造、土性を観察し、土壌型を判定します。
また、この日は、森林研究所にインターンシップで訪れていた大学生も授業を手伝ってくれました。
3日目、この日のメインテーマは、品種。前回に引き続き渡邊専門研究員に講師をお願いし、下呂実験林を見学します。下呂実験林は、50年ほど前に、スギの品種比較を行うために設定された実験林で、全国各地から集められた様々な品種が植栽されており、この授業にはもってこいのフィールドです。これまでの調査データーをもとに、同じスギでも品種によって、早生型、晩成型などの違いや、雪害に対する耐性に違いがあることなどを解説いただき、環境に適した品種を選定し植栽することの重要性を学部ことができました。
4日目、この日のテーマは、地質。この日のフィールドは、土岐砂礫層など地質に特徴のある東農西部地域です。この日は、地質にも詳しい柳沢先生に助っ人をお願いし、瑞浪市の化石博物館に立ち寄り、地層や地質について学び、土岐市「陶史の森」でこの地域の植生や土岐砂礫層の露頭等を見学しました。
行程の最後には、多治見市「潮見の森」標高471mの展望台に上がり、岐阜県の南端から県土を一望。あいにくの曇り空でしたが、御岳あたりまでの視界は何とか確保され、山間部から平野につながる地形の様子を観察することができました。
座学の学びに加え、即、現場、現物、実体験を結び付けて学ぶことのできる、アカデミーの恵まれた環境に感謝です。
以上報告は、担当 伊佐治でした。